++歴史書懇話会++

2008年10月12日新聞書評

[朝日新聞/読書欄]


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『室町絵巻の魔力』高岸 輝著/定価3,990円(税込)/吉川弘文館
室町幕府が舞台の歴史小説の趣/絵巻は、紙や絹を継ぎ、絵を描き、詞書を加えた巻物である。絵巻の制作・収集は、南北朝・室町時代、足利歴代の将軍にとっての権力の象徴であった。…美術史の書ながら、室町幕府を舞台にした歴史小説を読むがごとくに引き込まれる。/石上英一(東京大学教授・日本史)
*書評の全文は下記をご覧ください。
http://book.asahi.com/review/TKY200810140181.html
*本書の詳細をご覧ください/協力:紀伊國屋書店)


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『授業が変る 世界史教育法』鳥山孟郎著 /定価2,940円(税込)/青木書店
自分の問題として学ぶ世界史を/南塚信吾(法政大学教授・国際関係史)
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


【情報フォルダー】


『絵引 民具の事典』工藤員功編/中林啓治作画/定価6,825円(税込)/河出書房新社
消えゆく民具をイラスト付で
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


『ビジュアルワイド日本名城百選』村田修三総監修/定価3,990円(税込)/小学館


「縄張」で選ぶ100名城
* 本書の詳細をご覧ください/協力:紀伊國屋書店)


[読売新聞/読書欄]


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『中絶と避妊の政治学』ティアナ・ノーグレン著/定価3,990円(税込)/青木書店
日本のピル認可最後なぜ/日本では、中絶の合法化が非常に早く実現化した一方、ピルの認可は99年で、国連加盟国中、最後だった。それはなぜか。この明確な問いへの答えを求めて、日本の戦後史にわけいったのが本書である。」米国人研究者らしい歯切れのよさで、スリリングな読み物に仕上がっている/米本昌平(科学史家)
* 本書の詳細をご覧ください/協力:紀伊國屋書店)


『明代中国の庭園文化』クレイグ・クルナス著/定価3,990円(税込)/青土社
果樹園から美的空間へ/田中 純(思想史家)
* 本書の詳細をご覧ください/協力:紀伊國屋書店)


[毎日新聞/読書欄]


『ドングリと文明−偉大な木が創った1万5000年の人類史』ウィリアム・B・ローガン著/定価2,415円(税込)/日経BP社
雑木林からインク、酒樽、軍艦まで/養老孟司(解剖学者)
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


『旧外交の形成−日本外交1900-1919』千葉功著/定価5,985円(税込)/勁草書房
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


[日経新聞/読書欄]


【フロントライン】
『直木孝次郎 古代を語る』全14巻/定価各2,730円(税込)/吉川弘文館
直木孝次郎の未収録論考集/日本古代史の研究者、直木孝次郎氏の論文、研究ノート、講演記録、エッセイを自選で集成した『直木孝次郎 古代を語る』(全14巻/吉川弘文館)の刊行が始まった。
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:吉川弘文館
【この一冊】
『21世紀の歴史』ジャック・アタリ著/定価2,520円(税込)/作品社
新しい人間による超民主主義に希望/宇野重規(東京大学准教授)
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


【半歩遅れの読書術】


藤森照信(建築史家)/持続が秘訣/至文堂「日本の美術」
30数年前の大学院生からのお付き合い。…美術のシリーズだから、絵や彫刻が中心になるが、加えて工芸や建築、近年は山岳信仰や文化財保護についても出しはじめている。とりわけ考古学関係は充実していて、縄文土器や銅鐸のような美術品として十分に鑑賞できるものにとどまらず、421「年輪年代法と文化財」(光谷拓実著)のようなシブイ内容も扱う。…例えば少し前に出た495「縄文土器 草創期・早期」(原田昌幸著)なんてどうか。
* 「日本の美術」の詳細は至文堂ホームページでご覧ください。
*495「縄文土器 草創期・早期」の詳細
421「年輪年代法と文化財」の詳細

2点とも在庫あり


[産経新聞/読書欄]


『天災日記 鹿島龍蔵と関東大震災』武村雅之編著/定価1,890円(税込)/鹿島出版会
後世に伝えていくべき叙述/鈴木 淳(東京大学准教授)
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


[東京=中日新聞/読書欄]


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『文明開化 失われた風俗』百瀬 響著 /定価1,785円(税込)/ 吉川弘文館
西洋列強に対抗するため明治政府が推進した文明開化の政策は、近代のシステムや文物を導入する一方で、混浴、入墨などの「野蛮な」風俗を条例によって厳しく統制した。…西洋と日本、都市といなか、男と女、和人とアイヌという関係を視野にいれ重層的に読み直す。
* 本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)


[北海道新聞/読書欄]


【ほっかいどうの本】

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『文明開化 失われた風俗』百瀬 響著/定価1,785円(税込) / 吉川弘文館
 明治初期、当時の日本人の生活習慣や風俗のなかには、来日した欧米人に野蛮と受けとめられるものも多かった。混浴、入れ墨、立ち小便などである。明治政府は文明開化政策の一環として、風俗の取り締まりに乗り出している。… 本書はこうした欧米人の批判、文明開化の名のもとで進められた風俗統制の実態を、新たな視点から解明する興味深い歴史研究である。著者は文化人類学が専門の道教育大札幌校準教授。…同時に「北海道における風俗統制とアイヌ」という章を設け、同条例と明治期以降、進められた同化政策との関係について考察しているところにも注目したい。著者はアイヌ民族への風俗統制、とくに「文身(いれずみ)禁止令」についての研究が、この条例に関心を持つきっかけだったと述べている。違式註違条例を手がかりに、民族差別の歴史に迫ろうとする試みは、本書が初めてといえるだろう/中舘寛隆=北海道読書新聞社編集長
*本書の詳細をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)
2008年10月13日(月) No.173 (新聞書評)

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