++歴史書懇話会++

2007年9月30日の新聞書評
2007年9月30日の新聞書評
[朝日新聞/読書欄]
【話題の本棚】歩け東海道/江戸の面影しのび。ゆっくりと
『東海道を歩く』本多隆成著/定価2,625円(税込)/吉川弘文館
定年退職したら、ゆっくり東海道を歩いてみたい−などと夢想している人は多いだろう。古来、交通と輸送の大動脈として歴史を刻み、江戸の面影をしのべる場所もそこかしこ。歴史好きの中高年にはうってつけだ。ガイド本にも事欠かない。本多隆成著『東海道を歩く』は、東京日本橋から京都までを著者が歩き、現在の地図と街道沿いのポイントとなる写真を使いながら、道と宿場の歴史を説く。著者は近世史が専門。歩く前にざっと近世の東海道整備をおさらいしている。「近世の東海道」を概説のあと、「東海道を歩く」では五十三次を6パートに分けて解説。広重の絵もあしらってあるが、写真が豊富なのが特徴。「なんとも楽しい仕事であった」と後書きに。/大上朝美
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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『東海道五十三次ハンドブック(改訂版)』森川昭著/定価1,680円(税込)/三省堂
* 本書の詳細は下記をご覧ください。(協力:紀伊國屋書店)
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『ニッポンの旅 江戸達人と歩く東海道』石川英輔著/定価1,575円(税込)/淡交社
* 本書の詳細は下記をご覧ください。(協力:紀伊國屋書店)
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『東海道 東海道五拾三次 広重と大正期の写真』秋好善太郎編集/定価3,800円(税込)/知足美術館・新潟日報事業社発売
* 本書の詳細は下記をご覧ください。(協力:知足美術館)
『喪失とノスタルジア 近代日本の余白へ』磯前順一著/定価3,990円(税込)/みすず書房
深い孤独と他者を求める憧れの間で/赤澤史朗(立命館大学教授)
*本書の詳細は下記をご覧ください。(協力:紀伊國屋書店)
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『信長は本当に天才だったのか』工藤健策著/定価1,680円(税込)/草思社
資料たどり天才神話に反駁/前川佐重郎(歌人)
*本書の詳細は下記をご覧ください。(協力:紀伊國屋書店)
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[読売新聞/読書欄]
『跋扈する怨霊』山田雄司著/定価1,785円(税込)/吉川弘文館
国家に災いなした怨霊たちを紹介/この国では、人が政治死を遂げると、その霊魂が地上にとどまって、国家に霊的な力をおよぼすようになる。…著者は、史料から丹念にあさり、古代から中世まで、国家に災いなした怨霊たちを紹介。古代・中世の日本では、怨霊の存在は当然。怨霊対策は国家の重要課題であった。/磯田道史(茨城大学准教授)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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『日本ロボット戦争記 1939〜1945』井上晴樹著/定価4,725円(税込)/NTT出版
マシンとの合体に情熱/佐藤卓己(京都大学准教授)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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[毎日新聞/読書欄]
『地方別 方言語源辞典』真田信治・友定賢治編/定価2,520円(税込)/東京堂出版
方言の語源辞典/北海道から沖縄まで11の地方別にお国言葉の由来をたどる。風土の中で生まれ、根付き、変容していく言葉の数々……。日本語の豊かさが感じられる。
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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『幻想の過去―20世紀の全体主義』フランソワ・フュレ著/定価5,775円(税込)/バジリコ
それはブルジョアの自己幻想だった/鹿島 茂(共立女子大学教授・仏文学)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)
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[日経新聞/読書欄]
『戦後教育のなかの<国民>』小国喜弘著/定価2,730円(税込)/吉川弘文館
旧基本法成立のドラマを検証/昨年末、「伝統と文化」の尊重や「規範意識」の涵養などがもりこまれた新しい教育基本法が公布された。法案成立までに旧教育基本法「改正」か「改悪」かが争論となった。本書は、その争論ではまったくふれられなかった盲点を明るみに出す。旧教育基本法の審議は、教育刷新委員会でおこなわれ、総司令部との交渉で成立した。ところが日本側は「総司令部の目をごまかした」というのである。…旧教育基本法第10条「教育は…国民全体に対し直接に責任を負って行われる」は、総司令部側の強い要請で入れられた。しかし、総司令部の思惑どおりにすれば10条は「国民全体」ではなく「地域社会全体」などの文言になり、文部省の存在は危うくなる。そこで「国民」をthe whole
peopleと英訳することで巧妙なごまかしがおこなわれたと推理する。…旧教育基本法第10条については日本側の英訳操作によって、総司令部には「人民全体に対し」の印象をあたえた。かく5てアイヌ民族や在日朝鮮中国人文化にはじまる在地文化を排除し、均一な日本人アイデンティティに結集させる「自国民中心」の旧教育基本法ができあがった。しかも、政府の教育政策に反対する教育学者と教師たちも旧教育基本法を守る運動で自国民中心の旧教育基本法に加担してしまった、と著者は言う。…旧教育基本法をめぐる日本側の狡猾なごまかしと保守と革新の客観的な共謀関係をあぶりだしている。スリリングな検察ドラマ仕立が鮮やかである。/竹内洋(関西大学教授)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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『知られざる宇宙』フランク・シェッツィング著/定価3,990円(税込)/大月書店
海洋を舞台に生命の尊厳語る/テーマは明確だ。生命・進化現象と海洋との関係を扱っている。記述のスタイルも硬質だ。ホーキングからクローン人間まで、科学用語を駆使して地球と生命科学の最先端をブレずに紹介している。従来の判断基準でゆけば、科学ノンフィクション物と言いたいところだ。しかし、本書には、そう言いきることを躊躇わせる何ものかが具わっている。…本書は科学の書というよりは、科学を語る書だ。その意味で、ポピュラーサイエンスの書である。しかも良質の。なぜなら、著者の人文科学的な基盤が領域横断的なバランス感覚を保証しているからである。/原 克(早稲田大学教授)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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『日本ロボット戦争記 1939〜1945』井上晴樹著/定価4,725円(税込)/NTT出版
各国の資料文献 驚異的に渉猟/横田順彌(作家)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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【あとがきのあと】
『昭和平成ニッポン性風俗史』白川 充著/定価2,100円(税込)/展望社
「必要悪」の事実 調べ上げる
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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[産経新聞/読書欄]
『ナショナリズムの由来』大澤真幸著/定価5,000円(税込)/講談社
社会学を越え思想の集大成/東 浩紀(哲学者・批評家)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)
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『通訳者と戦後日米外交』鳥飼久玖美子著/定価3,990円(税込)/みすず書房
見えない存在 が見た裏面史/滝沢壮一(富山国際大学客員教授・エッセイスト)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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[東京=中日新聞/読書欄]
『団塊世代の同時代史』天沼 香著/定価1,785円(税込)/吉川弘文館
敗戦後の占領期に生まれ、定年を迎え始めた団塊世代。その呼称を嫌いながら、<戦後>を体現し、数の多さで社会に影響を与えた世代のイメージや時代背景を「オンリー・イエスタデー」の歴史として語る。
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊国屋書店)
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[しんぶん赤旗/読書]
『江戸の転勤族』高橋章則著/定価2,730円(税込)/平凡社
よそ者手代が狂歌で地域文化リード/山名美和子(作家)
* 本書の詳細は下記をご覧ください。/(協力:紀伊國屋書店)
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2010年09月30日(木) No.70 (新聞書評)

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