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斎藤英喜先生が選んだベストセレクションブックリスト
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佛教大学 歴史学部 歴史文化学科 教授 神話・伝承学 専攻の斎藤英喜先生が選んだベストセレクションブックリスト 斎藤英喜の部屋 http://saito.ehoh.net/index.htm ※コメントは、斎藤先生からいただいたものです。
◇三浦佑之『口語訳 古事記』文春文庫 ・「平成の古事記ブーム」は、この本から始まった。昔話を語るお爺さんの語りの口調で『古事記』を口語訳。じつは『古事記』はこんなに面白かった。
◇三浦佑之『古代研究』青土社 ・日本古代の姿を古事記のなかに、さらに古事記以前へと探究していく。神話・昔話・伝説の世界の深層へと誘ってくれる「三浦古代学」がこの一冊に凝縮。
◇西郷信綱『古事記の世界』岩波新書 ・構造主義の神話分析の方法を古事記解読に応用した画期的一冊。古事記の新しい研究は、この小さな新書から始まった。
◇神野志隆光『古事記と日本書紀』講談社 現代新書 ・古事記と日本書紀の神話は、まったく違う世界観によって成り立つことを教えてくれる。「記紀神話」の常識を大きく覆してくれる一冊。
◇斎藤英喜『古事記 成長する神々』ビイング・ネット・プレス ・スサノヲ、オホクニヌシ、アマテラス…。古事記の神々は神話のなかで成長し、変貌していく。なぜ日本の神々は多様な姿をもつかを、古事記を通じて明らかにする。
◇斎藤英喜『古事記 不思議な1300年史』新人物往来社 ・知られているようで、まったく知られていなかった、古事記の1300年の受容の歴史の謎が、この一冊で解き明かされる。
◆斎藤英喜『古事記はいかに読まれてきたか』吉川弘文館 ・古事記の価値を発見した本居宣長。では宣長以前、誰が、どのように古事記を読んできたのか。歴史に埋もれた古事記の読み手たちの姿を探索していく。
◆伊藤聡『中世天照大神信仰の研究』法蔵館 978-4-8318-6028-6 ・神仏習合の時代、中世――。アマテラスは密教の教義を身にまとい、古代とはまったく違う姿を見せてくれる。知られざる中世のアマテラスの神秘を探究する、画期的研究書。
◇斎藤英喜『アマテラス』学研新書 ・なぜアマテラスは伊勢神宮で祭られたのか。その謎を探ると「祟り神」としてのアマテラスの姿が浮かんでくる。中世、近世、そして近代へと姿を変えていくアマテラスを追う。
◆権東祐『スサノヲの変貌』法蔵館 http://www.bukkyosho.gr.jp/main.aspx?ISBN=978-4-8318-5688-3 ・荒ぶる神スサノヲは、古代や中世のなかで、多様な姿をもっていたことを解き明かす、韓国の若手研究者による、日本神話研究の新地平。
◆斎藤英喜『荒ぶるスサノヲ、七変化』吉川弘文館 ・祇園祭、出雲大社の祭神、さらに異国神へと変貌を遂げていくスサノヲの七変化ぶりを解き明かしながら、知られざる「中世神話」の世界へと誘ってくれる一冊。
◇舩田淳一『神仏と儀礼の中世』法蔵館 http://www.bukkyosho.gr.jp/main.aspx?ISBN=978-4-8318-6029-3 ・現代とはまったく違う、中世仏教の僧侶たちの世界。神々を祭り、儀礼を執行する中世の僧侶たちの現場へと肉薄していく、若手研究者による画期的研究書。
◆原克昭『中世日本紀論考』法蔵館 http://www.bukkyosho.gr.jp/main.aspx?ISBN=978-4-8318-6030-9 ・中世という時代、古代の『日本書紀』とは異なる、独自な神話テキストが作られていく。それを「中世日本紀」と呼ぶ。若手研究者が読み解く、知られざる中世の姿。
◇山本ひろ子『中世神話』岩波新書 ・仏教の時代と思われた中世は、古代以上に「神話」が活性化、再生してくる時代でもあった。古代の神々はどのように変貌し、中世という時代を生きたかを解き明かす一冊。
◇山本ひろ子『異神』ちくま学芸文庫 ・赤山明神、牛頭天王、荒神、摩多羅神……。遠い異国から渡来し、日本中世の時代のなかで、あらたな姿を顕現させてくる異神たちの物語。
◇伊藤聡『神道とは何か』中公新書 ・日本人の固有信仰とされる「神道」とは、じつは近代のなかで再編成されたものにすぎない。近代以前の仏教との関わりなかで自覚されていく「神道」の真の姿を教えてくれる画期的一冊。
◇井上寛司『「神道」の虚像と実像』講談社現代新書 ・古代から、中世、近世、近代、戦後までの歴史のなかで、時代の変化と対応するように作られていく「神道」の姿を明らかにしていく。
◇東より子『宣長神学の構造』ぺりかん社 ・本居宣長が古事記の価値を発見した『古事記伝』。その精密な注釈には、しかし古事記そのものとは大きく異なる、宣長独自な「神学」が形成されていた。そのロジックを読み取る一冊。
◇斎藤英喜・山下久夫編『越境する古事記伝』森話社 ・本居宣長の『古事記伝』を中世以来の『日本書紀』注釈学の系譜とともに、江戸時代の流動する時代のなかで読み解き、あらたな可能性を探る研究者たちによる、『古事記伝』をテーマとした唯一の論文集。
◇安丸良夫『神々の明治維新』岩波新書 ・「明治維新」を経て、新しい時代を迎えたとき、この列島社会に住まう神々は、どのような体験したのか。神々の視点から「明治維新」を読み解く、スリリングな一冊。
◇原武史『〈出雲〉という思想』講談社学術文庫 ・古代神話のなかでヤマトに敗れた出雲は、明治時代にふたたび敗北した。近代の「国家神道」が作られていく歴史を、「出雲」を起点にして解き明かしていく一冊。
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2013年12月01日(日)
No.384
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